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鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 96-001, 67 Pages, 1996/03
天然バリアを構成する岩盤の中で人工バリアに交差した亀裂では、亀裂中のある領域まではベントナイトで充填されているものと考えられている。人工バリア中での放射性核種の拡散は亀裂充填ベントナイト中を移行し、亀裂ネットワーク中の地下水流に放出されるが、こうした核種移行プロセスは人工バリアと天然バリアとの間の掘削影響領域に影響されることが予想される。しかし、このプロセスは非常に複雑であるため、掘削影響領域を模擬しアクチニド元素の吸着やコロイド形成機構等を考慮した実験並びにモデルに基づいた数値解析が必要である。そこで本研究では、ベントナイトで充填された仮想的な岩盤亀裂中での種々の酸化還元電位(Eh)に対して、アメリシウム、ネプツニウムの吸着分配係数を実験により測定した。このとき、Ehの関数として実験的に求められたKdを用いることにより、ベントナイトで満たされた亀裂中での放射性核種の移行を数値的に評価することができる。ベントナイトで満たされた亀裂中から天然バリア内亀裂ネットワークへの物質輸送についてシミュレーション解析を行った結果、ウランの同位体と娘核種の移行には影響がないことがわかった。さらに、遺伝的アルゴリズムとファジー理論との融合による解析手法を用いて人工バリアにおける放射性核種の移行に関する不確実性解析を行った。
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PNC TJ1281 96-004, 246 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物地層処分システムに対する性能評価においては、その予測的な性質及び関連する時間及び空間的なスケールのために、種々の不確実性が介在することは不可避である。これまでに開発されてきた不確実性分析あるいは感度解析の手法は、しかしながら、多数存在する不確実性因子のうちパラメータの不確実性についてのみ適用可能なものであった。本研究の主たる目的は、パラメータ以外の不確実性や変動可能性、特にシナリオや概念モデルについても適用可能な新たな手法を開発することにある。平成5年度及び6年度には、以下の二つの主要な概念を組み合わせたものである「動的解析手法」を開発した。・不定表現となる広義拡散係数により全ての可能な核種移行挙動を表現することが可能な広義拡散方程式・外部事象が人工バリア内及びその周囲における核種移行に及ぼす影響のみを表現する「シャドウモデル」